クレジットカードの支払い方法には、翌月1回払いや2回払い、分割払いやリボルビング払いなどいろいろな方法があります。それぞれの支払い方法にはメリットもあれば注意点もあります。
どの支払い方法を選べばよいかを判断するには、支払い方法の特徴を知っておくことです。支払い方法の種類とそれぞれの支払い方法のメリットと注意点について解説します。
また、店舗やインターネットでの使用方法やクレジットカードにありがちなトラブルと対処法についてもお伝えします。
クレジットカードの支払い方法の種類と特徴
クレジットカードの利用代金の主な支払い方法には、以下のようなものがあります。
- 1回払い
- 2回払い
- 分割払い
- リボルビング払い
- ボーナス1回・2回払い
- スキップ払い
それぞれの支払い方法の特徴、メリットやデメリット、注意点について解説します。
1回払いは利用代金を一括で払う方法で手数料がかからない
1回払い(一括払い)は利用代金をクレジットカードの支払い日に1回で支払う方法です。シンプルで分かりやすい支払い方法です。利用代金を支払えば、利用可能限度額もまた元に戻るので、毎回利用可能限度額まで利用可能になります。手数料もかかりません。
メリット | 注意点 |
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2回払いは一括より支払い額は減るが選択できないケースもある
2回払いは利用代金を2回(半分ずつ)に分ける支払い方法です。1回払いよりも1ヵ月の引き落とし日に支払う金額は少なくなるので支払い負担が減ります。2回までは手数料がかかりません。ただし、2回払いを採用していない店舗もあるため、選択できないこともあります。
メリット | 注意点 |
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分割払いは1ヵ月の支払い額を少額にすることができるが手数料がかかる
クレジットカードの利用代金を3回以上分割して払う方法です。分割できる回数は店舗により異なりますが、3・5・6・10・12・15・18・20・24・30・36回といった回数から選択できます。
分割払いは1ヵ月に支払う金額は抑えられますが、手数料がかかるため支払い回数を多くするほど、支払い額がかさみます。
手数料を減らそうとして支払い回数を増やせば、1ヵ月の支払い額が増えてしまうため、支払い可能な回数を考慮して選ぶ必要があります。
ただし毎月の支払額や手数料が確定しているので分かりやすく、完済日も明確です。
メリット | 注意点 |
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リボルビング払いは毎月一定額を支払う方法で1ヵ月の支払い負担を減らしやすい
リボルビング払い(リボ払い)は、毎月の支払いをあらかじめ設定した一定額を払う方法です。利用代金や件数に関わらず毎月の支払額が一定なので、翌月の支払い金額を気にせず利用できるでしょう。
ただし、リボ払いは手数料がかかります。支払い残高によって支払い回数(期間)や手数料が変わるので、支払い残高を気にしていないと手数料が増える、支払い回数(期間)が増え、支払い期間が長くなります。
その結果、いつまでたっても完済できずクレジットカードの支払いを続けていかなければなりません。
また、リボ払いには主に次の3種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
定額方式 | 支払い残高に関係なく一定額の支払いをしていく |
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残高スライド方式 | 支払い残高によって支払い額が増減する |
定率方式 | 利用残高が減ることで1ヵ月の支払いも減るが、設定されている割合が低いと支払い回数が増える |
クレジットカードによってリボ払いの方式や支払い要件などは異なる点にも注意が必要です。
メリット | 注意点 |
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ボーナス払いは支払いを延ばすことが可能で支払い負担を抑えられる
ボーナス払いはボーナスの出る月に利用代金をまとめて支払う方法です。例えば、12月~6月利用分は夏のボーナスで、7月~11月の利用分は冬のボーナスで支払う、という具合です。ボーナスのない人でも利用できます。
ボーナス1回払いは夏(冬)のボーナスで一回払い、ボーナス2回払いは夏(冬)と冬(夏)のボーナスの2回に分けて支払う方法。
ボーナス2回払いは対応していない場合も少なくないので確認が必要です。支払い月は6・7・8月、12・1月から選択できることが多いです。
ボーナス払いはボーナスが出るまで支払いを延ばせるのがメリット。1回払いなら手数料もかかりません。ただし、利用金額によってはボーナスがなくなってしまう可能性もあるので計画的な利用が必要です。
メリット | 注意点 |
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スキップ払いは指定月まで支払いを延ばせるが手数料がかさむ
スキップ払いもクレジットカードの支払い方法の一つです。ただし、対応していない店舗もあるので確認が必要です。
スキップ払いは1回払いの利用代金を指定した月(最長6ヵ月)まで延ばすことができます。希望の月まで延ばせますが、先延ばしにするほど手数料がかさみます。利用代金と手数料もまとめて支払わなければならない点に注意しましょう。
メリット | 注意点 |
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クレジットカードの支払い方法はシーンや金額によって適切に選ぶ
クレジットカードの支払い方法は複数あり、それぞれにメリットもあれば注意点もあります。どの方法を選択すればよいかは、そのときの状況によって異なることも。それぞれの支払い方法はどのような状況に適しているのでしょうか?
支払いに余裕があり早く完済したいなら「1回もしくは2回払い」
クレジットカードの利用代金は、できるだけ早く支払いを済ませた方がお得です。1回もしくは2回払いであれば手数料もかからず、支払いを済ませれば利用した分の利用可能限度額も元に戻ります。
分割払いやリボ払いは手数料がかかる分、支払総額が増えてしまうもの。支払いに余裕があるなら、1回払いがおすすめです。
ただし、無理をして一括払いにするのは危険です。支払いができないとカードの利用ができなくなったり、遅延損害金が発生したりして、かえって支払いを増やしてしまいます。
支払いが厳しく、支払いの目途が立たない場合は無理せず支払える方法を選択した方がよいでしょう。
クレジットカードは高額な商品を買うときだけ!無理なく支払いをしたいなら「分割払い」
毎月無理な支払いをしたくない、支払いはできるだけ抑えたい、という場合は、リボ払いや分割払いがおすすめです。クレジットカードを頻繁に利用するわけではなく、高額な利用をするときだけなど支払いが限定されているなら、分割払いの方がよいでしょう。
クレジットカードの利用頻度が高く毎月の支払いを一定にしたいなら「リボ払い」
毎月の支払いを一定にして管理しやすくしたい場合はリボ払いがおすすめです。特にカードの利用頻度が高く、利用するたびに一括払いや分割払いにしていては1ヵ月の支払い額が高額になってしまいます。
まとまった金額を支払える目安があるなら「ボーナス払い」もしくは「スキップ払い」
今欲しいものがあるけれど払う余裕はない、しかしボーナスなどの臨時収入があり、数ヵ月先ならまとまった金額を支払えるという場合は、「ボーナス払い」や「スキップ払い」も選択肢の一つです。
特にボーナス1回払いなら手数料もかかりません。分割やリボ払いにせず一括で払いたい、しかし次の支払い日には払えないのでもう少し先延ばしにしたい、という場合におすすめです。
カード決済をした後でも支払い方法の変更が可能な場合がある
カード決済をして買い物などをした後でも、クレジットカードの支払い方法を変更できる場合があります。カード会社によって詳細は異なり、できない場合もありますが、主に次のような変更が可能です。
- 1回払い・2回払い・ボーナス1回払いを分割払いに変更
- 1回払い・2回払い・ボーナス1回払いをリボ払いに変更
- 1回払い・2回払い・ボーナス1回払いをスキップ払いに変更
1回で支払をしようとしたけれど、予定外の出費が重なりそう、店頭では1回払いしか選択できなかった、などといった場合に便利です。ただし、変更の締め切り日があるので注意しましょう。
リボ払いの長期化を防ぐには繰り上げ返済や一括返済がおすすめ
リボ払いや分割払いは支払いが長期化するほど手数料がかさみ、支払総額が増えてしまいます。それを防ぐには繰り上げ返済や一括返済がおすすめです。繰り上げ返済には、主に次のようは支払い方法があります。
- リボ払いの残高を毎月の支払い金額より多く支払う、または全額支払う
- 分割払いの残高を一括で支払う
- 一括払いの残高を支払い日より前に支払う
ただし、分割払いや一括払いの残高の繰り上げ返済は一括での支払いのみ、としているカード会社も多いので、確認が必要です。
分割払い残高の臨時のお支払いは、残高全額を一括でお支払いいただく場合に限り承っております。
回数指定分割払いのご利用残高は、全額・一部返済いただけます。
引用元: TS CUBIC CARD よくあるご質問 Q 回数指定分割払いの利用残高を全額もしくは一部返済することができますか?
インターネットや店舗で利用する際に注意したいポイント
クレジットカードはどのお店でも使えるわけではありません。支払い方法が限られている場合もあります。利用する際の注意点を知っておきましょう。
クレジットカードが使えるお店やサービスは多いが注意点がある
クレジットカードは以下のようにさまざまな店舗やサービスで利用できます。
- 百貨店やスーパー、コンビニエンスストア
- 家電量販店やショッピングモール
- 花屋、パン屋、薬局、美容室などの専門店
- 病院や歯医者などの医療機関
- 飲食店
- ガソリンスタンド
- ネットショップ
- 動画・音楽配信 など
さらには、次のような料金もクレジットカードでの支払いが可能です。
- 新幹線や定期券
- 高速道路
- 住民税や自動車税などの税金
- 電気や水道、ガスなどの光熱費
- 家賃 など
クレジットカードが使えるお店やサービスは数えあげればきりがないほどですが、上記のような店舗やサービスでもすべてにおいてクレジットカードでの支払いができるわけではありません。
個人で経営しているお店や飲食店、ショッピングモールの中に入っているお店でも使えない場合もあるので確認が必要です。
クレジットカードを使う場合は国際ブランド(アクセプタンスマーク)を確認
クレジットカードが使える場合でも、国際ブランドによっては利用できない場合があります。利用できるかどうかは、店頭やネットショップに提示されている国際ブランド(アクセプタンスマーク)を確認しましょう。
アクセプタンスマークとは、そこで利用できる国際ブランドや電子マネー、QRコードなどの種類を示すアイコンのことです。主な国際ブランドは以下の5つ。
- VISA
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
利用できる国際ブランドはカードやお店によっても異なるので注意しましょう。
すべての支払い方法が選択できるわけでないので注意
カードが利用できても、リボ払いや分割払いなどすべての支払い方法が選択できるとは限りません。クレジットカードで可能な支払い方法でも、店舗では対応できない支払い方法もあるので注意しましょう。
例えば、コンビニエンスストアは原則、一回払いのみが可能で、リボ払いや分割払いには対応していません。カード会社によっては、後から支払い方法を変更できるケースもあるので、必要であれば支払い方法の変更手続きをするとよいでしょう。
「締め日」と「支払い日」を確認し利用代金や支払い金額を把握する
カードで支払いをする際に把握しておきたいのが、「締め日」と「支払い日」です。支払い日を覚えておかないと、引き落としができず支払いが遅延することになります。遅延損害金も発生するので、遅れないよう支払い日は忘れないようにしましょう。
店舗での具体的な支払い方法と注意点
クレジットカードを持っていてもあまり使わない場合や、初めて使う場合、どのように使うのか分からないという人もいるでしょう。店舗での支払い方法について解説します。
お会計の際「クレジットカードで支払うことを伝える
お会計の際、店員さんに「お支払い方法は?」と聞かれたら、「クレジットカードで」と答えます。カードを渡す、もしくは自分で決済端末機器にカードをかざしたり、差し込んだりして支払いを済ませます。
署名や暗証番号の入力が必要な場合がある
サインレスの場合もありますが、署名や暗証番号の入力を求められる場合もあります。暗証番号を一定回数誤って入力すると、その時点でカードが使えなくなるので注意しましょう。
暗証番号は忘れないようにしておくことが必要ですが、もし忘れてしまった、分からなくなった、という場合はカード会社に連絡をして照会もしくは変更をします。
暗証番号は、会員専用WEBサービス「MyJCB」で確認する方法、郵送の書面で確認する方法の2通りあります。
会員専用サイト、もしくは郵送の書面により確認が可能です。書面の場合は1~2週間程度かかるので早めに手続きをしておいた方がよいでしょう。
ネットショップでクレジットカードを使う際は入力ミスに注意
インターネットショッピングでの支払い方法には、銀行振込や代金引換、コンビニ払いなどいろいろな方法があります。中でもクレジットカードなら決済が完了すればすぐにサービスを利用できたり、商品の発送が早かったりします。
ただし、発送を早くしてもらうには、カード情報を正確に伝えなければなりません。インターネットでの支払い方法の流れを解説します。
欲しい商品を「カート(カゴ)」に入れる
ネットショップでは購入する商品を決めたら、その商品を選択し「カート(カゴ)に入れる」ボタンを選択します。この時点ではまだ購入は決定していないので、商品を戻すことも可能です。
購入を決めたら、カート(カゴ)に入っている商品を確認し、間違いがなければ「レジへ進む」や「清算する」ボタンを選択します。
「支払い方法」でクレジットカードを選択し必要な情報を入力する
清算のページで支払い方法を選択する際に、クレジットカードを選択したら必要な情報を入力します。入力が必要なのは主に以下のような内容です。
- クレジットカード番号
- 有効期限
- 氏名
- セキュリティコード
セキュリティコードはクレジットカードの裏面に記載されている3桁もしくは4桁の数字です。入力ミスなどで誤った情報を入力してしまうと決済ができないので、入力後は再度確認をしましょう。
クレジットカードの使用でありがちなトラブルと対処法
クレジットカードを利用していると、想定外のトラブルや失敗などもあるものです。ありがちなトラブルと対処法について解説します。
自動的にリボ払いになっていることも!支払い方法などは最初に確認をする
クレジットカードの機能として、支払い方法を自動で設定できるケースがあります。
自動でリボ払い(以下、自動リボ)とは、お店やネットショッピング等で「翌月1回払い」と指定したショッピングご利用分が自動的にリボ払いになるサービスです。
引用元:楽天カード 自動でリボ払い
自動で設定していることを忘れてしまったり、変更をしていなかったりするとずっとリボ払いになってしまいます。リボ払いは手数料がかかるため注意が必要です。
また、支払い方法をリボ払いにするとキャッシュバックがあるなどのキャンペーンを開催しているケースもあります。必要がなければ、キャッシュバックを獲得した後、支払い方法を変更しておくことを忘れないようにしましょう。
支払いがなかなか終わらない!リボ払いばかりに頼らないことも大切
リボ払いは1ヵ月の利用代金に関係なく、毎月の支払いを一定にできる便利な支払い方法です。しかし、支払いが楽だと思いカードを使い過ぎていると、ずっと支払いを続けていくことになります。
手数料もかかるため、支払い期間が長期化すれば支払総額は増えていくばかりです。利用可能金額も減ってしまい、カードが利用できなくなってしまうこともあります。
支払い方法はリボ払いばかりに頼らず、支払いができる場合は1回払いやボーナス払いなどを選択しながら利用していいきましょう。
クレジットカードが使えない!原因を把握し対策を取っておく
支払いをするときになってカードが使えなかった、という場合もあるので、原因と対処法を把握しておきましょう。主な理由として考えられるのは次のようなことです。
- カードの磁気不良やICチップの不具合
- カードや店舗に対応していない支払い方法を選択した
- 支払い日を過ぎていた
- 利用可能額を超えた買い物をしようとした
- カードの有効期限が切れている
カードを磁気の強いものと一緒に保管したり、汚れていたりするとカードが利用できないことがあります。保管方法には注意が必要です。
支払い方法や支払い日、現在の利用額はこまめにチェックし、利用残高を確認しておきましょう。うっかり支払い日を忘れないようにすることも必要です。
クレジットカードは原則自動的に更新されます。有効期限が近付いてくると新しいカードが発行されるので、忘れないよう交換しておきましょう。
不正利用やカードの紛失などに早く対応するためにも連絡先をメモしておく
カードの紛失や不正利用の疑いなどがあった場合は、できるだけ早くカード会社に連絡をすることが必要です。そのためにも、カード会社の連絡先はメモをしておくなどしてすぐに連絡できるようにしておきましょう。早めの対応をしないと被害が大きくなってしまいます。
また、カードの利用に関するトラブルや心配事があったり、支払い方法や利用方法などで分からないことがあったりしたら、消費者生活センターや日本クレジット協会などの相談などの相談窓口に連絡をしてみましょう。
「クレジットカードの支払い方法」に関するよくある疑問
「クレジットカードの支払い方法」に関するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。
Q クレジットカードの支払い方法で一番よいとされる方法はどれですか?
A 一番よいと考えられる支払い方法は、利用者がスムーズに支払いができ、便利にカードの利用ができる方法です。支払い方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それらを把握したうえで利用状況や支払いのタイミングなどを考慮し、よりより支払い方法を選択しましょう。
Q クレジットカードはコンビニエンスストアで使えますか?
A 利用できます。ただし、支払い方法は1回払いのみなので、必要であれば後から支払い方法の変更手続きをするとよいでしょう。
Q クレジットカードの支払い方法を一括払いからリボ払いに変更したいのですがどうすればよいですか?
A カード会社に連絡をして変更手続きをしましょう。手続きの方法はカード会社によって異なりますが、マイページなど会員専用サイトから手続きができるケースが多いです。ただし、変更可能な期限があるので変更手続きは早めに行いましょう。
Q クレジットカードの支払い方法で手数料がかからない方法は?
A 1回・2回払い、ボーナス1回払いなら手数料がかかりません。
Q ネットショッピングで支払方法をクレジットカードにした際、エラーが出てしまう原因は何ですか?
A カード番号やセキュリティコードなどの入力ミス、有効期限切れ、支払い遅延、利用可能限度額が超えているなどといったことが考えられます。また、高額商品を短期間で何度も購入するなど、不正利用が疑われるとカードが利用できない可能性もあります。
クレジットカードの支払いはできるだけ早い方が返済額を抑えられる
クレジットカードは支払い方法によって手数料がかかります。手数料は利用代金とは別にかかるもので、分割払いやリボ払いのように支払いが長期化しやすい支払い方法だと、支払総額が増えてしまうので注意が必要です。
カードの支払いは早く済ませた方が、利用可能額が減ったままということもなく、支払総額を増やさずにすみます。そうは言っても無理をして支払いができないのは避けたいものです。
家計の状況や支払い日などを考慮し、自分にとって適切な支払い方法を選択しながら上手にクレジットカードを使っていきましょう。